2013夏・飯豊連峰
以前登った時は人気のある川入登山口であったが、最近の大雨により道路が崩落してしまい復帰の目処は立たず、数年は駄目との事であった。まぁ最初から違う登山口と思っていたので、今回は大日杉小屋から登る事にする。テントベースの装備重量はポータブル赤道儀や三脚、バッテリーと食料丸々4日分+予備、大量の行動食と水1.5リッター持ち出しで初の18kgになってしまった。前回は16kg+脂肪3kgだったみたいだが、今回は18kg+脂肪6kg(笑)5:03分に歩き始め、暫くすると殆ど垂直の鎖場が現れヒ-コラ・・・いやはや重い、しかも今回うっかりストックを忘れてしまい全ての重量が足にのし掛かる・・・これ登れるの?
大日杉小屋の標高は600m、最初の難関地蔵岳1538.9mまでの登りで既に地獄を見てしまった(^^ゞ途中最初の水場、長之助清水があるがここではまだ水に余裕があるのでスルー。永遠とザンゲ坂と言う名の坂を上り続け早くも疲労困憊。地蔵岳に着いたのは9:06分、区間タイムを20分程オーバーした。区間タイムと言っても大概多目になっているのでこれ相当遅ペ-スです。
天気が良すぎて暑いの何の、途中休憩していると門内小屋の小屋番さん(飯豊の小屋番さんは輪番制)と一緒になって色々お話を伺ったが、地蔵岳の先は日当たり良好で更に酷暑に悩まされるとの事。確かにその通りだった、持ち出しの水が底をついてきたのでそろそろ補給しなければ・・・しかし次の水場地蔵清水は見当たらなかったので目洗清水で補給。情報通りちゃんと出てました^^。
あまりの暑さで途中熱中症になりそうな位のぼせてしまって日陰を見つけては大休止、体温が下がらないと本当に危険な感じ・・・。どんどんペースは遅くなってきた。写真左、奥の高い山が飯豊本山だがまだまだ遠い。地蔵岳から切合小屋までの区間タイムは3:20分のはずだがオーバーしても着く気配が無い。現在時刻から計算して、一気に御西小屋までなんてのは到底無理、本山小屋もキツクなってきた。もっとも本山小屋に泊まってしまうと後の行程で時間が余りすぎるので、ここは初日切合小屋幕営にしようと決定。小屋手前の雪渓は手前が崩れていて渡れず雪渓上部から迂回した。
15:10分切合小屋到着。ええっ!区間タイム3:20分のところを6時間って凄くないですか?予定を切合小屋に変更した時点から体力温存の為にペースを落として休憩休憩で歩いてきたけどここまでオーバーするのも驚いた(笑)
写真は切合小屋テン場。右奥の2ピークある山が飯豊本山。
夜は星の撮影。明け方に掛けてペルセウス流星群が極大になるとの事で寝る間も惜しんで撮影したけど、狙った方向に流れるわけも無く、一本線が入る程度(^^ゞ
撮影時間優先でカメラ側のノイズリダクション機能OFF、ISO800~1600の間で色々撮り比べをしてOM-D E-M5の感触を確かめながら撮影しました。現地では撮った写真をパソコンで確認できないので全くの手探り状態ですが、帰宅後確認して色々わかってきたところです。
翌日も良い天気、小屋の水もジャンジャン出ています。
7:02分切合小屋出発!今日はノンビリ御西小屋まで行きます。以前は飯豊山の山頂まででしたが、今回はその先を歩けるので楽しみです。ザックの方は少し軽くなったかと思うとその逆で、湿気を含んだテントやシュラフ。水も5分ほど下る本山での水場補給を避ける為、水1.5リッターと昼食用にお湯0.5ccをパッキングしたので更に重くなりました(^^ゞ
福島県側から飯豊山へ登るのに「この山さえ無ければ楽なのに・・・」と思う草履塚ですが、今回のコースの地蔵岳よりはぜんぜんマシです。さぁ一旦下って本山への登り、稜線は緑と白の色合いが美しい。
9:35分本山小屋へ到着。やはり多少はオーバータイムですが昨日よりはマシです(^^ゞ
ここまでくればあとは心配する登りはないので気が楽になりました。昨日お会いした門内小屋の小屋番さんが既に用事のあった御西小屋から戻ってきて本山の小屋番さんと立ち話していたので「昨日はどうも」をご挨拶。100円でトイレだけ借りて御西へ向け出発です。
飯豊山の山頂までは20分程度、本山小屋の先から飯豊山特産の絶滅危惧種、イイデリンドウが見つかるようになる。小さくて凄く綺麗な花です。
そしてバーン!10:03分山頂へ到着しました。前回は霧の中でしたが、こんなにも良い天気で最高の眺めです。荷物が重かったけど登れてよかった^^。
山頂へ直接登ってこれるダイグラ尾根も、この先の御西方面のなだらかな稜線も良く見えます。少し休憩したら出発しようと思ったけど、なにやら山頂の先でインタビュー映像を撮影しています。カメラの向く先に登山道があるので歩けば当然写ってしまうでしょう、まぁ時間もあるし終わるまで待つか。
10:25分、撮影が終わったので出発します。
御西まで小ピークはあるものの、基本的になだらかな稜線歩きでコバイケイソウやニッコウキスゲなどが風になびき、雪渓の上を吹いてきた風はとても涼しいです。
10:53分、区間タイム通り到着しました。
テントを張って昼食を食べます。その後目的の大日岳へ登ってもいいのですが、今日登ってしまうと明日の行程がまた時間が大余り・・・登山計画書には北股岳へ登る場合もありと記入してきたけど、今回初日に大分足を使ったのでそれは止めました。今日はのんびりして明日の朝大日岳へ登る事にします。
夕日はいいところを逃してしまいましたが、テントから大日岳がドーン!と見えて最高の眺めです。
夜にはまた星景の撮影をしたのですが、途中ガスがかかってしまったので早々就寝しました。御西小屋のテン場は強風が吹く可能性も高いし、霧に包まれる可能性も高いとの事で星の撮影には若干不向きなのかな。でも今回は風も弱く霧も待てば晴れそうでした。
翌朝も快晴!5:01分、空ザックに行動食とハイドレーションの水だけ持って大日岳へ向かいます。区間タイムは2時間と書いてありますが、空身で登ると1時間程度。6:05分山頂へ到着しました。
雲海から顔を出す磐梯山と吾妻山、北股岳方面の稜線もまた魅力的。今回予算もあり公共交通機関の計画がまとめられずピストン縦走にしたけど、このまま烏帽子岳-梅花皮岳-北股岳-門内岳-飯豊温泉と縦走していけばもっと楽しかっただろうなぁ、そんな計画をしている方にも数人お会いしてとっても羨ましかったです。
大日岳の山頂はとても気持ちがよく1時間も滞在してしまいました^^。さて飯豊連峰最高峰の登頂も果たしたし戻りますか。テントを撤収して、水汲んで初日に泊まった切合小屋を目指します。
帰りものんびりゆっくりと歩きます。今回通常は2泊で余裕なコースを3泊にしてあるので時間がたっぷりです。もっとも目的が星の写真撮影なので寝不足になるだろうと思い余裕を持たせましたが、結局星が出る前の夕方はやる事が無いのでその時間寝てしまえばそんなに寝不足になる事もなく、ご来光の時間には勝手に目が覚めていました。
途中本山小屋へ寄り、100円でトイレ。それとここでしか買えないグッズの中からイイデリンドウバッチを購入。特にバッチを集めているわけではないが、イイデリンドウに惚れたので買いました。
切合小屋では初日と同じ場所が空いていたので同じ様にテント設営。この場所は周りに岩が埋まっている為に近くにテントが張られず撮影には丁度いい。多少斜めですが、足の方向を下に出来るので特に問題なし。
写真は上のテン場からのサンセット、それから月明かりで山の色を出し北斗七星を入れてみました。
夜も撮影しましたが、同じ構図なので特に目新しい写真も撮れずでした。
でも今回の山行で連泊での必要装備の確認と、撮影に関する装備のノウハウが勉強出来たのでとても充実し、勉強になりました。装備重量に対する体力もそうですが、まずは体脂肪を落とさないと駄目ですね。体温が上がりすぎるのもそれのせいだと思うので頑張って減量しよう(毎回言ってるけど)^^。
翌日切合小屋からの下山は7:26分下山開始、13:28分下山完了。コースタイム5:10分ですが6:20分掛かりました、下山時もザックは重く灼熱地獄の為ペースは上がりませんでした。帰りは水場に寄らなくても良い様に2.5リッター持ちましたが、結局は足りなくなって長之助清水で補給。ホントすげー飲みましたよ(^_^;)
カメラはショルダーベルトで首が擦れて痛かったのでザックに仕舞って降りました、下山時の写真はありません。
・・・しかし装備20kgとか30kgとか平気で担いで歩く人ってホント凄いですね。
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コメント
連泊山行とはいえやはり距離が長く、途中の小さなアップダウンはともかく、最初の標高600mからの歩き出しはキツイですね。こりゃー大変でしたね。慣れていないストックなしだと余計疲れますし、好天すぎると体力は奪われますね。よくわかります。
昼間の眺望も素晴らしいですが、やはり夜が凄いですね。ここまで行けば地上の光も少ないのでしょう。教科書に載るような写真ばかりで、おそらく肉眼でも相当見えたのではと思います。期間中好天に恵まれ、山歩き&好展望&連泊&星撮影のノウハウ習得と充実した山行でしたね。
東北の山は森林限界が低く、展望がよく穏やかで広々していていい雰囲気ですね。行ってみたくなりました^^。
投稿: サイタマKM117 | 2013年8月18日 (日) 22:05
>サイタマKM117さん
8月の飯豊山は登るまでが暑かったです。上がってしまえば涼しい風が吹いて心地よいのですが、やはりお勧めは秋でしょうね。
今回はストック無しだったので、ちょっとした悪路でも細心の足運びを強いられる事になって余計に疲れました(^^ゞ
眺望は見ての通りで、アルプスの3000mにも負けないくらいの爽快感があります。
もちろん晴れれば星も綺麗ですし是非テントを担いで登られてください、お勧めです。
投稿: チバKX56 | 2013年8月18日 (日) 22:53